2016年2月度のレポート

2月のレポート

 水戸南ロータリークラブ

海涛

 今回は、私の研究についての実験(囚人のジレンマゲーム)を皆様にご紹介させていただきたいと思います。2月まで、4カップルにPDゲームをやっていただきました。実験の流れを以下のように簡単に述べます。

参加者:恋愛関係にある大学生を含めた若者カップルとする。

材料:すでに4カップルについて調査と実験を行ないました。それぞれの参加者には、実験の内容について誓約書という形式で口頭と文書で説明し、実験参加の同意を得ました。また、3種類の質問紙は冊子にして各参加者に配布して、回答してもらいました。

質問紙への回答後、PDゲームを受けてもらいました。PDゲームを開始する前に、各参加者を別室に案内し、図1のような配置で実験を行ないました。それぞれの参加者には、ゲームの利得表が記されたシート(図2)が、各参加者が面している机の上に置かれ呈示されました。さらに各参加者には、実験者と実験協力者が別室で対応しました。ゲームに関する下記の教示を行い、実験を開始しました。

 

2-2 2-1

 

 

 

 

 

 

 

[教示文]

これから、あなた方にゲームをやっていただきます。相手の方は隣の部屋でゲームをすることになります。

あなたのお手元にXカードとYカードがありますが、私が「スタート」と言ったら、かならず2枚のカードの中でどちらか1枚を選んで私に見せてください。

あなたのパートナーも隣の部屋で同時に同じようにしています。

あなたたちが選んだカードの組合によって、机の上の得点表に基づいてそれぞれの人が受け取る点数が決まります。私からはあなたの点数だけをあなたにお伝えます。

このようなゲームを全部で80回(80試行)実施します。20回終わるたびに、相手に対する印象についてお尋ねしますので、その質問にお答えください。

以上です。

ご不明な点があれば質問を遠慮なくなさってください。ただし、実験に差しさわりがない範囲でお答えいたしますことをご理解ください。

 

1カップルにつき80試行が行われました。各試行は、実験者と実験協力者の「どうぞ!」の掛け声によって開始されました。参加者は、X(協力の意味がある)とY(裏切りの意味がある)のカードのどちらかを選んで、それを実験者あるいは実験協力者に提示しました。実験者と実験協力者は、自分が担当する参加者の選択行動をコンピュータに入力して、計算されたその参加者の得点結果(その試行での得点と、その試行までの累積得点)を参加者に伝えました。各参加者には、その参加者が取得した得点結果だけを伝え、相手の得点は伝えませんでした。各試行での得点結果は、コンピュータによって自動的に計算されました。ここまでが1試行でした。

80試行の20試行ずつを1ブロックとして、ブロックが終了するたびに、参加者には、パートナーに対する印象を次の各項目について7段階で評定してもらいました。評定項目は、優しさ、冷たさ、好きという気持ちの程度、愛している程度、嫌いという気持ちの程度、仲良くしたい、別れたい、ゲームに対する相手の本気の程度、でした。ゲームは80試行だったので、4ブロックということで相手に対する印象は4回測定しました。ゲーム終了後、実験手続きについてのデブリーフィングを行ないました。

すべてのブロック終了後、実験の各ブロックの協力行動の選択率を求め、パートナーに対してnegativeな印象とpositiveな印象について、どういう風に抱いているのか?そのデータを分析し、そういう印象と彼らの愛着スタイルとのどんな関係があるのか?それは私の3月の調べることです。

結果について、楽しみにしています!

以上です。

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